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学科 | 社会学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | 京都府における地域おこし協力隊員のライフヒストリー |
内容 | 本研究では、東京一極集中是正のために打ち出された政策「地域おこし協力隊」に注目した。協力隊とは、都市に住む人々が過疎地域に移住し、地域活動を経てその地域への定住を図る取り組みである。ローカル志向の時代になりつつある現代で、協力隊を選択する人々はどのような人生を歩んできたのか。ライフヒストリーを調査することで、隊員の共通する価値観が見えると考えた。そこで、京都府の現役・OB 協力隊員 5 人にインタビューを実施し、ライフヒストリー調査と意識調査を行った。 分析結果として、協力隊になった経緯は異なるものの、協力隊員になり地域の人々と接しながら自分の力で地域おこしに貢献した経験によって、価値観が変わり、任期終了後も地域に関わる仕事に就くという共通点が見つかった。制度として隊員が「定住」することが地方活性化であると考えられているが、定住する・しないに関わらず協力隊の経験こそが地方創生に結び付くと著者は思う。 |
講評 | 京都府の地域おこし協力隊の現役隊員および元隊員5名へのライフヒストリーを中心としたインタビュー、5人の行政関係者へのヒアリングに基づいて論じた労作である。地域おこし協力隊員を着任前、現役時代、任期終了後の三期に分け、そのローカル志向のライフスタイルやワークスタイルのあり方を、多様性のなかの共通性として見出している。地域おこし協力隊に関する研究は、国や自治体サイドの視点から書かれたものが多く、ライフヒストリー研究としての業績は貴重である。著者は、自身が参加した「京都の若者の実態と意識」をテーマにした社会調査実習の内容に合わせる形で、ケース分析とテーマ分析を行っている。さらに著者の観点の特色を明確にするためには、昨今の地方移住現象全体に視野を広げ、それに関する理論的研究との関わりを検討することが必要になるだろう。 |
キーワード1 | 地域おこし協力隊 |
キーワード2 | 地方創生 |
キーワード3 | ローカル志向 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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