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学科 社会学科
年度 2019
ゼミ名 轡田 竜蔵
タイトル 関西の大卒女性のライフキャリア
内容  ライフキャリアとは、人生における経験・経歴を広く視野に入れたものを指す。本稿は、関西の大学を卒業した女性のライフキャリアに焦点を当てている。全国と関西の統計調査の比較、インタビュー調査を通して、関西の大学を卒業した女性たちがどんなライフキャリアを描き、実際に歩んでいるのか、ということを明らかにしている。
 大学卒業後の進路を選択するときの意識の度合いは、ライフキャリアに大きな影響を与える。女性の場合は特に、キャリアプランの不十分さが無業状態や結婚や育児に絡む離職といった問題に発展する。この問題がより深刻な関西においては、女性なら働かなくてよいという意識の根強さがある。また、関西の特徴として、就業の都合で他地域へ転出して戻ってこない者が多い傾向が明らかになった。人生の中で壁にぶつかっても、これまでを振り返って主体的に新しいライフキャリアを描くことが、女性たちの充実した人生につながる。
講評  関西の大学を卒業した女子学生は、首都圏に比べて無業化する傾向が強いと指摘されている。この論文は、その現象の要因を探るべく、人口統計や意識調査資料の二次分析、さらには関西の大学を卒業した20~30代の女性数名にインタビューを実施している。その分析を通して、大卒人材は多いのだが、その就職機会は関西よりも本社機能が集積した東京のほうが豊富であることの影響が明らかにされる。ただし、それぞれの文章のパートは首尾よくまとめられているのだが、全体を貫く理論的視点が明確ではない。また、ライフキャリアを問題にするなら、結婚している者や、子どもがいる事例を扱っていないのは残念である。ライフステージの諸段階の課題を整理し、それに沿って調査対象を設定し、多様な問題を捉えるためにも、もう少しケース数を増やして考察してほしいところである。
キーワード1 ライフキャリア
キーワード2 大卒女性
キーワード3 関西
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