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学科 社会学科
年度 2019
ゼミ名 轡田 竜蔵
タイトル 京都「田の字地区」とその内側に見るまちづくり ―京町家カフェはどのような役割を果たしているのか―
内容  日本を代表する観光地として不動の人気を誇っている京都であるが、背景には長い歴史の中で地形や情勢にあわせた都市計画が行われてきた。そして現在、京都の商業中心地である「田の字地区」やその内側の「職住共存地区」においては、大勢の観光客に向けた工夫を凝らすようなまちづくりも求められているが、その反面、観光都市化にばかり気をとられていると、京都の昔ながらの景観は失われてしまう恐れもある。
 そこで、京都のまちづくりにおいて伝統的な建造物である「京町家」の存在は欠かせないと考える。従来のような職住共存型の建築物としてそのまま保全し、利用し続けるにはさまざまな課題が見られるが、リノベーションにより、住居としてだけでなく、多様な形態で京町家を「再生」させることで、新たな価値を生み出すことができる。京町家カフェのような京町家の利用により、観光客や京都に住む人々に対し、京町家の新たな魅力が伝わり、京都「らしい」まちづくりに貢献できると考える。
講評  京都の都心部のまちづくり、なかでも京町家に関しては多くの研究蓄積のある分野であるが、本論文では京町家リノベーションの流行のなかでも、京町家カフェがどのように広がっていったのかについて、店長へのインタビュー取材などを交えながら論じている。他の字地区を歩き、エリア内の京町家カフェをすべてリストアップして考察している点は興味深く、その歴史的文脈、都市政策との関連について、読む者の興味を喚起するが、残念ながら掘り下げられていない。田の字地区のなかには、京町家を保存・活用しようとする様々なまちづくりの動きが展開しており、そうした動きとの関連も注意したいところである。京町家カフェ現象にフォーカスするなら、田の字地区に限らず、京都のまちなかの「職住一体地区」全体に目を向ければ、論文の主題はより明確になると思われる。
キーワード1 都市計画
キーワード2 「田の字地区」
キーワード3 京町家
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