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学科 | 社会学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | 音楽に関わる若者の文化消費について ―様々な楽団に所属する大学生を事例に― |
内容 | 文化消費には、文化そのものの階層と文化消費者の社会的階層が関係しているといわれている。しかし、日本社会における文化消費は、様々な文化が社会全体に階層を超えて消費されているという特徴を持つ。また、性別によって消費する文化に影響が出てくるとも考えられている。 本論文では、消費する文化について経済資本から生まれる階層、家庭からの相続文化資本や学校教育による獲得文化資本、文化のジェンダー構造に注目し分析している。そして、その中でも家庭の階層格差を最も顕著に表すとされるクラシック音楽に注目し、大学でクラシック音楽を扱う音楽サークルや楽団に所属している演奏者を対象にインタビュー調査を実施した。 得られた知見は、自身の文化消費は家庭での相続文化資本による影響が強いという点である。そして、中でも母親によって相続された文化資本の影響が強く、自身の性別によって消費する文化が異なることはないとわかった。 |
講評 | 本論文は、ピエール・ブルデューの文化資本論や、片岡栄美の文化的オムニボア論を背景にしつつ、クラシック音楽の楽団に所属する大学生6名に半構造化インタビューを行い、その文化消費のあり方を明らかにしようとしたものである。理論的な視点が整理されており、またインタビューデータの分析にあたりテーマ別の分析も手堅くまとめられている点は評価できる。先行研究の知見を後追いすることにとどまらず、クラシック音楽消費について母親の相続文化資本の影響が性別をこえて与えていることを発見している点も興味深い。ただ、本研究の対象となったのは、同じ大学の似通った階層の集団に限られている。本稿で得られた知見をより一般性のある形で提示するためには、より多様性のある集団と比較する観点が必要になるだろう。 |
キーワード1 | 文化資本 |
キーワード2 | 文化消費 |
キーワード3 | クラシック音楽 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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