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学科 | 社会学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | 新しい郊外と古い郊外 ―大阪府島本町の開発をめぐる対立から考える― |
内容 | 私たちにとって、その土地に住むとはどういった意味をもつだろうか。本稿では、大阪府三島郡島本町での調査をもとに、その土地に住むことの価値を改めて解釈し、未来に向けて、どのように開発していくべきかを考えた。 郊外社会の課題は、人口構成上の多様性を欠き、異質性を嫌う排他性、親は残り、子は転出する超高齢化問題というような伝統的【古い郊外】問題と、近年注目されるようになった、高層マンションの乱立とその開発手法の持続可能性といった【新しい郊外】問題に関するものがある。島本町の事例においては、それぞれを、伝統的に議論される高槻市との合併問題『きめ細やかな行政』、比較的最近になって注目を集めるようになった、JR 島本駅西地区都市開発計画とその反対運動に対応させて、議論を展開している。 調査を通し、島本町の課題は、「関係主体の良質なコミュニケーションを促進し、連携を促進すること」であることが明らかになった。本稿で言及した様々な成功事例を踏まえ、適切な開発を行い、より良い社会を目指す一助となれば幸いである。 |
講評 | 昨今の郊外の諸問題の縮図を一つの町内で表現しているような街、大阪府島本町。本論文は、そこにおける高層マンション建築計画の是非、高齢化にともなう住宅問題への対応というトピックを軸にして、多岐にわたる問題に言及している。地元という地の利をいかんなく発揮して、大学生、主婦、高齢者、さらには町長まで、フットワーク軽くさまざまな立場の人たちを対象に、短期間に17人もインタビューを実施し、その語りを生かした論文としてまとめた点は特筆される。この論文では、あまり先行研究の文脈は踏まえられていないが、既存の郊外研究の論点との関係を整理し、その文脈で島本町内の各エリアの地域特性をきちんと位置づけることができれば、本論文に記述されたインタビューデータの背景にある現実が、より深度を持ったかたちで考察できるようになるだろう。 |
キーワード1 | 新しい郊外・古い郊外 |
キーワード2 | マンション開発の持続可能性 |
キーワード3 | 買い物難民 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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