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学科 社会学科
年度 2019
ゼミ名 轡田 竜蔵
タイトル 都心部の新しい公共交通の在り方 -京都市の事例を中心に
内容  公共交通を取り巻く環境は厳しさを増している。人口増加時代に拡大した市街地に対応すべく拡がった公共交通のサービス領域は、人口減少時代の現在では公共交通経営を圧迫しているだけとなった。一方で、近年では自動運転技術の登場などが話題となっており、モビリティ技術の変容によってこれらの問題の解決が期待されているが、モータリゼーションが公共交通の需要を奪ったのも事実である。社会の変容・モビリティ技術の変容が著しい中、このような状況に対して公共交通はどのように対応していかなければならないのだろうか。そこで、本稿では様々な公共交通問題に対して積極的な動きが行われている京都市に着目し、次世代の新たな公共交通として期待されている京都市 LRT 構想の関係者にインタビュー調査を行うことで、変革が訪れている現代社会の中でも対応できる公共交通の姿を明らかにした。結果、コンパクトシティ化の流れからスマートシティ化の流れに転換し、最新の技術を取り入れたバスを導入することが、これからの社会に対応することができる公共交通であると結論に至った。
講評  本論文の筆者は、当初、京都市の都心部のコンパクトシティ化と、それに対応したLRT導入の可能性について書く計画を立てた。ところが、資料収集と調査の過程で、問題が京都の公共交通問題全体に広がった。最後の章では、LRT導入計画に関わる関係者にインタビューを実施した結果、著者の考えが変わり、LRT計画に批判的な意見を持つに至った過程が記述されている。本論文の前半では、LRTを含む都心部の公共交通への投資を重視する「コンパクトシティ」政策の話がメインとなるが、結論としては、ICTで公共交通の課題を解決する効率的仕組みを導入する「スマートシティ」政策の可能性が模索されている。もしも、この点を強調するのであれば、LRT計画の賛否論争だけではなく、公共バスをはじめ、スマートシティに対応した京都市における課題解決の具体的な試みについて調査・研究をする必要があるだろう。
キーワード1 京都市
キーワード2 LRT
キーワード3 公共交通
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