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学科 社会学科
年度 2019
ゼミ名 小林 久高
タイトル 職業としての落語家
内容 近年、落語家になる人々は増加し、過去最高人数とも言われている。落語家は破天荒であるというかつての社会的イメージは薄れ、今や伝統芸能の継承者として評価されている。本論文の目的は、現代において落語家になる人々はどのような人々なのか、そしてなぜ落語家になるのかを明らかにすることである。
インタビュー調査の結果、落語家を志す人々は、自分の裁量で物事をやりたい、自分の力で人生を切り開きたいという個人主義的な志向を持っていた。しかし一方で、落語界に特有の師弟関係や聞き手との関係を好意的に受け入れ、周囲とつながりを持つことに喜びを感じていた。この一見相反する意向が両立するのは、それらのつながりが個人主義を妨げない形で周囲との連帯を保証してくれるものであったからに他ならない。落語世界に特有の「噺」を通じたつながりは、個性を尊重しつつも落語界の中に身を置く安心感を与えてくれるのである。
講評 若手落語家へのインタビューをもとにした論文。落語家の生活を明らかにするとともに、落語家という職業のエートスを抽出しようとしている。落語や芸への尊敬、会社社会になじまない一匹狼的価値を持ちつつも師匠・仲間・客との全人格的関係を愛する姿が描かれていて興味深い。
キーワード1 落語家
キーワード2 職業意識
キーワード3 つながり
キーワード4  
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