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学科 社会学科
年度 2019
ゼミ名 藤本 昌代
タイトル 文化資本の相続者とは――家庭における母親の影響――
内容 本論文では、家庭での文化資本において、誰が子供に影響を与えたかについての分析を行う。そのため、3種類の文化資本の中でも、学校制度などによる制度化された文化資本ではなく、身体化された文化資本と客体化された文化資本について、特に注目する。そして子供が自らの意思で文化資本を選択することが難しく、加えて今後の人生において重要な年齢だと考えられている小学生時代の文化資本に注目することによって、子供がどこからの影響を受けて文化資本を蓄積していくかについて研究した。その結果、B大学の方がハイカルチャーを消費していた。これは社会階層や父職の影響も考えられる。母親に焦点を当てた場合、B大学の母親であるほど、子供は趣味の読書、絵画鑑賞、歴史・芸術の本を読むなど、ハイカルチャーを消費していることが分かった。そして、母親から子供へ文化資本を相続する際には、高学歴の母親を持つ子供ほど、ハイカルチャーを受け継ぎやすいと推測された。
講評 本研究はブルデューの『ディスタンクシオン』の中で語られている家庭内の母親の文化資本の相続について分析したものである。ブルデューや片岡の研究を参考にして、調査票を作成し、2大学を比較する形で調査設計が行われたものである。社会階層として父職が最も子供の文化消費に影響する強いこと、しかしながら、母親の学歴、母親が好む文化が子供にも継承されがちであること(父親の趣味はあまり影響していない)などが発見され、興味深い結果が得られている。もう少し独立変数の検討に時間をかけていれば、よりよい論文になったと思われる。
キーワード1 文化資本
キーワード2 母親の影響
キーワード3 家庭環境
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