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学科 社会学科
年度 2019
ゼミ名 藤本 昌代
タイトル 女性パートタイマーの世界――キャリアから見る実態――?
内容  現代では、非正規雇用者数が徐々に増えてきていることが社会問題にもなっている。先行研究では、若年の非正規労働者に焦点が当てられることが多いが、女性パートタイマーに焦点を当てた研究も多い。しかし、そこで論じられているのは女性パートタイマーが常に弱い立場にあり、且つほとんど社員と同じ仕事内容をさせられているという悲惨な女性の姿だ。そこで本稿では、女性パートタイマーが本当にそのような悲惨な立場にあるのか、そしてパートタイマーに至るまでのキャリアはどのようなものなのかをインタビュー調査から分析し、本当の女性パートタイマーの実態を明らかにすることが本稿の目的である。インタビュー調査の結果、実際にパートタイマーとして悲惨な立場に置かれているが、当人達はそれを苦だと思っていなかった。それはキャリアの中での辛い経験などにより、パートタイムでは仕事内容よりも人間関係を重視しているということからであった。また、対象者の中には正規雇用→パート→正規雇用という一度パートに落ち着いたが、もう一度正社員として働く「正規への復活」の型も見られた。
講評 本研究は女性のキャリア研究として、非正規雇用の中高年女性を対象にした調査を行っている。調査の結果からは、結婚による退職規範が強かった世代の女性たちは、正規雇用で就業していた仕事は楽しかったがやめざるを得ない雰囲気であったこと、自身もそれが「普通」だと思っていたことが明らかになり、当時の規範の内面化が示された。また、計量研究では、「正規雇用になりたいのになれない」女性たちが描かれがちであるが、本研究では正規雇用者には非常に過酷な労働が求められるために、あえて非正規雇用者を選択する女性(いつでも正規雇用に戻ってほしいと言われている)、非正規雇用者から正規雇用者への従業上の地位の変更のために資格試験を受けるために熱心に勉強している女性など、多様な中高年女性の就業選択が描かれている点が興味深い。
キーワード1 女性パートタイマー
キーワード2 キャリア
キーワード3 正規への復帰
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