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学科 社会学科
年度 2019
ゼミ名 藤本 昌代
タイトル 墓の継承者がいない ―家制度のない社会においての男女と墓の関係―
内容  日本は、1970年に高齢化社会に突入し、2010年には超高齢社会に達した。これからも高齢者率は上昇すると考えられ、それに伴って「墓不足」と「無縁墓地」の存在が社会問題になっている。家制度がなくなった日本に現代において、京阪神地域と、茨城県を出身地とする中高年者にアンケート調査をし、男女の墓に対する意識と、地域間による意識の差を分析し、中高年世代の墓の継承・意識について明らかにした。結果として、先祖の墓を守り継いでいきたいという意識は、男性の方が女性よりも強い中で、農村部よりも都市部である京阪神地域の方がその差は顕著になった。また、長子で生まれた男性と女性の墓の継承意識の差が2001年に行われた先行研究と大きな変化はなく、家制度がなくなった現代においても依然として、「長子である」ことが墓の継承意識に対して大きな要因になっていることが明らかになった。
講評 本研究は、現代社会で問題となっている家と墓の継承について、2地域の中高年世代を対象に調査を行ったものである。本研究では、現代の中高年の子供世代に老後の負担をかけたくないという意識が読み取れるような、墓の維持も子供に期待していない人々が多いこと、また、夫婦関係の良好さと墓の継承意識が関係することなどを分析している。回答者が両地域とも比較的長期的な居住者が多かったことから大きな差は見られなかったが、若年層には関心が持たれにくい本テーマに取り組んだこと、関東と関西の人々の家、墓に対する意識の比較を試みた意欲を評価したい。もう少し独立変数の検討に時間をかけていれば、よりよい論文になったと思われる。
キーワード1 少子高齢化
キーワード2 墓地継承
キーワード3 ジェンダー
キーワード4 地域
キーワード5 家族
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