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学科 社会学科
年度 2019
ゼミ名 藤本 昌代
タイトル 巫女としての生き方―女性の就職先の1つとしての巫女―
内容  神社に奉仕する巫女は、未婚の女性がなるものであり、30歳を前に退職しなければならないという規範がある。本論文では、巫女として働く女性がたどるキャリアや巫女として働く中でのやりがいや思いについての調査を行なった。調査の結果、巫女は職場において信仰心は必要だが個人的な信仰は神道以外を含め自由だということ、巫女になる経緯として一般的な就職活動の一環で神社を紹介され入社するというパターンが存在することに加え、ウェディング業界に興味のある学生の受け皿としても機能していること、「男尊女卑」的な考えや上の人には逆らえない年功序列意識が強いこと、巫女の誇りは神社という「特別な場所」で奉仕しているという意識に結びついていること、円満な退職方法の1つとして寿退社を求める人が多いことが明らかになった。しかし、人手不足を背景に、30歳を前に退職するという規範にも変化が必要になる可能性がある。
講評 本研究は、神道に関わる職業としての巫女のキャリアについて質的調査を行ったものである。神道の世界の職業構造、就業観が描かれ、人々の「神聖な儀式」に立ち会える働き甲斐は非常に大きいことが示されている。他方で、巫女は神道において「若い未婚女性」という制限のある職業であるため、30歳未満で定年しなければならないルールがあること、繁忙期と閑散期の差が大きい仕事であること、繁忙期には2週間近い連続勤務をしなければならないこと、神職のように専門性を高める教育制度が未整備であるため、事務職員的位置づけで雇用されていることなどが明らかにされた。一般の人々には知られない世界の記録として、貴重な情報が収められている論文である。
キーワード1 女性
キーワード2 キャリア
キーワード3 巫女
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