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学科 社会学科
年度 2019
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル 地方議会における女性参画の社会学的考察‐京都府下の自治体を事例に‐
内容 本稿では南丹市と城陽市を対象に、女性議員の数に影響を与える背景に関して社会学的考察を行った。インタビュー調査の結果、城陽市で女性議員の多い理由として専業主婦率が高いことが考えられる。インタビューを行った城陽市の女性議員らは皆前職は専業主婦であり、日常生活で作りあげた地域のネットワークが政治参加に重要な役割を果たしていた。つまり、女性の社会参画が必ずしも女性の政治参加につながるわけではなく、地域とつながりの多い専業主婦の方が女性議員になる可能性が高いことが考えられた。一方、南丹市では住民の意識に旧町の選挙区が今でも残っていることが、女性議員の数の少なさに影響しているのではないかと考えられる。選挙の地盤となるのは2006年の市町村合併前の「旧村」である。南丹市議のインタビューから見えてきたのは、形式上の選挙区と実際の選挙区の違いである。現在形式上は南丹市全域が選挙区であるが、実際は旧町毎に発言力を維持するため「望ましい議席数」があることがインタビューよりわかった。従って1議席に対する人口の増加は女性議員の増加に結びつかず、女性議員の数は1.2議席で維持されていると考えられる。
講評 日本が諸外国に比べてジェンダーギャップが高いことはつとに指摘されてきたが、政治の分野でもその差ははっきり出ている。本論文は、京都府内の各自治体の議会で、女性議員が相対的に多い城陽市と相対的に低い南丹市を比較し、インタビューや統計などから、女性議員の進出を促進する要因、阻む要因を探りだそうとした論文である。調査と執筆に手間取り、その結果完成度が高い論文にはならなかったが、市町村合併後も存在する事実上の選挙区という要因、昼夜間人口比率と主婦の出馬との関係など、先行研究で見えてきていなかった新たな諸要因を見いだした点は評価に値する。
キーワード1 女性議員
キーワード2 人口
キーワード3 地域ネットワーク
キーワード4  
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