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学科 | 社会学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 板垣 竜太 |
タイトル | 大文字送り火を支える祭縁――つながりによる伝統の維持と継承―― |
内容 | 大文字送り火は京都を代表する伝統行事五山送り火の1つだ。しかし、その運営の詳細を知る人は少ないように思う。では、伝統の保存が課題となっている現代社会において、どのようにして大文字送り火は数百年にわたりその伝統を維持・継承してきたのだろうか。そこで、大文字保存会を中心とした送り火にかかわる人々に焦点をあて、フィールドワーク調査を行った。そこから見えてきたのは、送り火を核として保存会の内外に築かれている「祭縁」だ。村の盆行事として行われていた送り火はもはや地域の枠を超え、様々な要因によって培われてきた幅広い人々との関係性によって生かされている。送り火と祭縁によってつながった人々はどのような思いでこの伝統行事にかかわっているのか、また、どのような過程で送り火は毎年行われてきたのか、以上2点を明らかにすることで、祭縁に生かされる送り火の維持と継承の秘訣・課題を考察した。 |
講評 | 京都の風物詩の一つである五山送り火のなかでも、如意ヶ嶽の大文字送り火は象徴的にも中心的な存在である。ところがその担い手である大文字保存会は後継者不足に悩んでおり、伝統的な地縁・血縁だけで行事を維持することは事実上不可能である。この論文は「祭縁」という概念を活用し、実際にこの行事がいかにまわっているかを具体的に明らかにした労作である。関東出身の著者は保存会の中心的人物の信頼を得て、参与観察とインタビューおよびアンケートを組み合わせた調査を実施した。その結果、地域をこえて実働、資金、物に関わる祭縁のあり方が浮き彫りになったことは高く評価できる。 |
キーワード1 | 五山送り火 |
キーワード2 | 伝統 |
キーワード3 | 保存会 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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