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学科 社会学科
年度 2019
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル お守りの贈与に見る人間関係
内容 宗教への関心や信心が低下しているとされる現代でも、日本人の三人に一人はお守りを持っているという結果もある。最近のお守りを持つという行為には、単に宗教的な意味合いだけでなく、お土産や記念としての意味合いも含まれている。また、誰かからもらったり誰かにあげたりする場合、贈与品という点で宗教的な意味以上に人間関係的な意味を持つことが考えられる。この論文では、お守りをもらったことあるいはあげたことがあるという大学生に半構造化インタビューを行った。調査の結果、インタビュイーが親密であると捉えている「親密圏」の相手であればお守りのやり取りが可能というインタビュイーが多かった一方、単にプレゼントやお土産として親密でない相手にお守りを渡したいと考えているインタビュイーも見受けられた。個々人がお守りをどのように考えているかを分析することで、彼らの人間関係の捉え方も見えてくることがわかった。
講評 信心深い人でなくともお守りをもらったり、あげたりする経験をもつ人は案外多い。本論文は、お守りのやりとりをしたことのある大学生にインタビューをおこない、各人のパーソナル・ネットワークのなかでお守りの授受の占める位置を明らかにした。その結果、親しい親密圏にある人全般にお守りのやりとりがある「親密圏全般型」、中でも親しい人のみに限定される「親密圏コア型」、逆にあまりに親しい人は外れる「親密圏外縁型」、親密圏以外でやりとりがあるという「親密圏外型」の4類型が抽出できた。4類型の違いを生み出すのが何なのか、その人の信心深さと関係があるのかなどまで考察できたらよかったが、そうした新たな問いを生み出す成果として評価できる。
キーワード1 お守り
キーワード2 贈与
キーワード3 親密圏
キーワード4  
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