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学科 社会学科
年度 2019
ゼミ名 平尾 桂
タイトル 現代人の社会的性格についての研究 ー消費・メディア・友人関係・自分への自信・モノへの執着との関連ー
内容 近年、ミニマリストの出現や近藤麻理恵の片づけ術など、モノに執着しない生き方への関心が社会的に高まっている。モノの豊かさが幸福の象徴とされてきた日本社会の中で、モノに執着しない価値観が受け入れられた背景には、現代人の社会的性格の変化があるのではないか。先行研究をもとに、既存の性格類型「内部指向型」「他人指向型」に加え、新たな社会的性格「自分指向型」のそれぞれの社会的性格は、「消費傾向」「メディア利用傾向」「友人関係性」の点で特徴的な行動傾向を有しているといえるのか、さらに、「自分指向型」は3つの性格類型の中で最もモノへの執着度が低く、自分への自信度が高いという特徴を持つのか、Googleフォームによる調査を行った。分析の結果、社会的性格はそれぞれ特徴的な行動傾向を有していること、内部指向型の人物はモノに執着せず、自分に自信を持っているということが明らかとなった。
講評 「現代人の社会的性格についての研究-消費・メディア・友人関係・自分への自信・モノへの執着との関連」では、現代社会では、リースマンによる「内部指向的性格」、「他人指向的性格」に続いて、「自分指向的性格」と呼べる社会的性格が拡がっているという仮説の下に、オリジナルの質問項目によって測定された「自分指向度」と、先行研究で指摘されている、新たな社会的性格の消費、メディア利用、友人関係との関係に関する仮説が検証されました。これらの仮説は一部支持されましたが、測定された「自分指向度」は、「内部指向度」と「他人指向度」の間に見られるものほど、識別可能な対比を生み出しませんでした。さらに、著者の主要関心である、新しい自分指向的性格の強い人々は自分への自信度が高く、モノへの執着度が低いという仮説も検証されましたが、自信とモノへの執着の低さという属性は、仮説に反し、内部指向度の高い人物の特性である傾向が強いという結果になりました。著者は質問項目の内容が自分指向度を十分に反映していなかったのではないかと考察のなかで述べていますが、それに加えて、自分への自信やモノへの執着という概念自体が、内部指向的価値観を反映している可能性もあると思います。このような従属変数の捉え直しも必要になる可能性を示唆した研究であったと思います。
キーワード1 社会的性格
キーワード2 モノへの執着
キーワード3 自分への自信
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