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学科 社会福祉学科
年度 2019
ゼミ名 山田 裕子
タイトル 介護老人福祉施設に入所している高齢者の個性を尊重した生きがい支援
内容  日本は少子高齢化が進んでいる。その中で若者の苦労などが多く取り上げられている一方で、スピード型の社会、経済面、健康面など高齢者の側も生きづらさを抱えている。この現代社会において、高齢者は日々生きがいをもちながら生活することができているのであろうか。高齢者が生きがいに感じる事柄の多くは人づきあいと仕事の2つであるということがわかった。この2つは、地域で暮らすなど自由のきく環境であれば可能であるが、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などの自由が制限されやすい環境では、利用者である高齢者の生きがいのある生活は如何にして実現しているのだろうか。この疑問を突き詰めるべく健光園あらしやま等の特別養護老人ホームでフィールドワークを行った。その結果からみえてきた本当の意味での生きがい支援とは、多種多様であり利用者の思いに寄り添うというものであった。高齢者のより良い暮らしを求め、本論文は研究している。
講評  この論文では、少子高齢化が進行する日本において、自由が制限されやすい介護老人福祉施設に居住する高齢者の生きがいはどのように実現されているかを調べました。まず生きがいの概念、生きがい調査の分析などを通して、「生きがいは、人や社会とのつながりや自分自身の役割を持つことが大きな影響をもたらしているのではないか」、と言う仮説を立てました。そして生きがい支援はどのように行われるべきかを2つの介護施設の職員からの聞き取りと1つの有料老人ホームの新聞記事の情報を基に、居住者には、ホームの日々が安心できるものであることがまず確立された上で、利用者である高齢者が求めていること、望んでいることをしっかりと知ることが大切である、との先行条件を得ています。その上で、現在施設入居には要介護3以上でなければならないという介護保険制度のきまりから、施設に暮らす高齢者が健康とは言えない時に、どのように生きがいを支援できるのかを問おうとし、2つの施設でのフィールドワークを行いました。1つ目は職員による聞き取り実施を依頼し、2つ目は別の高齢者福祉施設の職員と高齢者に自分自身で聞き取りに臨み、得られた回答を分析し明らかにしようとしました。語られた言葉には、その人のそれまでの人生の生き方と価値観を大切に継続したいとの思いがあり、生きがい支援は、一人一人多種多様なその人らしさや個性を尊重した介護であると結論できました。
 理念と概念を丁寧に学び、生きがい支援を行う施設職員からの情報と実際の高齢者からの聞き取りを重ね合わせて、一人一人個別のその人らしさを追求することの大切さに、理想の介護と生きがい支援を見出した力作だと思います。
キーワード1 介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム)
キーワード2 高齢者
キーワード3 生きがい
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