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学科 教育文化学科
年度 2008
ゼミ名 吉田 亮
タイトル ブラジル日本人移民の子弟教育論1915~1939年 ―北米日本人移民経験とのつながりを考慮して―
内容 現在,在日ブラジル人にまつわる様々な社会問題が取沙汰されている。これを解決する糸口を掴むためにもブラジル日本人移民史は顧みられるべきである。ところが従来の日本人移民史研究は北米を中心としていただけでなく,ブラジルを含む南北両アメリカ日本人移民史は分断して語られ,別個のものとして扱われてきた。ブラジル日本人移民史は日本とブラジルの二国間の枠組みの中でしか語られてこなかったのである。そこで北米日本人移民とのつながりを考慮に入れた視点からブラジル日本人移民史を再考察したのが本論文である。これは今まで分断されてきた南北両アメリカ移民史をつなぎ,ブラジル日本人移民史を世界的規模で起こる移民史の大きな流れの中で再解釈する新しい試みである。
本研究では特に移民社会のリーダー達が提唱した現地への適応方策の表象である子弟教育方針が,端的に北米の影響を反映していたことを明らかにしている。また,史料に公的な文書ではなく,日本人移民が日常の生活の中でオピニオンリーダーの意向に接していたと考えられる邦字新聞と,移民送り出し機関のひとつであった日本力行会の月刊誌を使用していることも本研究の大きな特徴である。
講評 厳密にはそれぞれの条件に微妙な差異があるとはいうものの,3回生の4月から研究を蓄積してきたものを卒論という形式で総括したわけである。全体として,研究テーマの設定やそれへの執着心,研究時間のマネージメント,一次資料へのアクセスの難易度他多様な要素が,卒論執筆行程やその成果に大きく影響を及ぼしているが故に,到達度に差があるとはいうものの,卒論合格レベルにまで全論文が達したことについては満足すべきであろう。
キーワード1 ブラジル日本人移民
キーワード2 北米経験
キーワード3 子弟教育
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