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学科 社会福祉学科
年度 2019
ゼミ名 野村 裕美
タイトル 慢性型の終末期医療の課題とその対策
内容 本論文は,「慢性型の終末期医療が抱える課題は何か」という問いに対して,「治療を続けるか否か,治療方法をどうするかといった際に,患者の意思確認が取れないことや,明確な意思を明記して残せていないことが,医師が治療を施すことの障壁となっているのではないか」という仮説に向けて論じたものである。近年,年金問題,現役世代の減少,高齢者ドライバーによる事故の増加など,少子高齢化や超高齢社会といった日本社会の現状に付随する問題を頻繁に目にするようになった。とりわけ,慢性型の終末期医療は今後さらなる高齢化が進み,後期高齢者が増加することを鑑みれば,早急に対処しなければならない問題である。しかし,議論はなされても,具体的な対処方法の確立や制度化といった面は,日本においては未だなされていないというのが現状である。
 そこで本論文では,慢性型の終末期医療においてなぜ医師が打つ術が無くなってしまうのかを明らかにし,慢性型の終末期医療の現場における実情と課題について述べる。その課題を踏まえた上で,慢性型の終末期であっても,誰もが理想の死を迎えるためにはどういった対策や制度があればよいのかについて考察した。
講評 慢性期の医療継続に直面する課題、特に「身寄りのいる」「身寄りのない」それぞれの場合の終末期医療の課題を整理した。本人や家族の意思決定と延命治療の手控えの課題に着目し、理想の死のありようについて関連づけて論じた点は高く評価できる。
キーワード1 超高齢社会
キーワード2 終末期医療
キーワード3 アドバンスディレクティブ
キーワード4 法制化
キーワード5  
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