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学科 | 社会学科 |
年度 | 2009 |
ゼミ名 | 鵜飼 孝造 |
タイトル | ファッションと自己表現――現代女性の「私遊び」―― |
内容 | 人がファッションを選択する過程において「内在化した他者の視線」からの圧力を受けることが多い。「内在化した他者の視線」によって自分自身を社会的役割、性別、年齢などの観点でとらえる「三人称の構え」と「三人称の構え」からどのように脱却することができるのだろうかという問題について論じる。筆者は現代若年女性の「私遊び」というファッションに焦点を当てた。「私遊び」とは自分自身の体を着せ替え人形のようにして「自分自身のなりたい姿」になりきる行為である。実際に「私遊び」をしている女性に聞き取り調査を行い、また「私遊び」をしたいけれども実行には至らない女性に対して理想の服装に着替えて「自分自身のなりたい姿」になってもらうという交換実験を実施した。聞き取り調査と交換実験の結果から、「私遊び」という「一人称への構え」によって内在化した他者の視線から解放され、おしゃれを楽しむことが可能であるということ、また情報化が進むなかでブログなどによって「一人称への構え」をとることができる場を自ら作り出しているということが明らかになった。 |
講評 | ファッションはしばしば自己表現や自己演出としてとらえられる。それは自己と他者を別のものととらえる近代的な思考の副産物だといえる。著者は日本で生まれた風流への美意識に関する文献を読み解きながら、「こらし」「はずし」、あるいは「みたて」「やつし」、さらには「ためし」「さらし」などの、自他の視線を巧みに超える、いわば「遊び」の観点からファッションをとらえかえそうと試みている。そこが読んでいて面白かった。ただし、それを「私遊び実験」に実際に活かすためには、概念の整理と方法へのもう一工夫がほしかった。そこが惜しまれる。 |
キーワード1 | 私遊び |
キーワード2 | 内在化した他者の視線 |
キーワード3 | 循環的相互作用 |
キーワード4 | 三人称の構え |
キーワード5 | きめわけ |
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