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学科 社会学科
年度 2009
ゼミ名 鵜飼 孝造
タイトル 現代社会における香り文化――香りが社会にもたらす影響とは――
内容  これまで、「香り」という存在が多方面から注目されたことがあっただろうか。ファッションのツールとしての香水や整髪剤などは、数え切れないほど多くの種類がすでに市場に出回っているが、せいぜいその程度である。ところが、近年の社会においては、香りがあらゆる方面からスポットライトを浴び、なおかつ、あらゆる事象に影響を与えている。まず、香りが人々の心・身体ともに癒しを与える。そうすることによって、香り製品の市場が活発化する。そして、香りが人々の心理にはたらきかけることを知ったマーケターが、消費者の購買意欲を高めようと広告のために香りを起用する。そうすることによって、香り製品以外の市場までもが潤ってくる。このように、香りが人だけでなくさまざまなもののために利用され、プラスの影響を与える時代が到来している。そもそも、人々はなぜ香りを求めるのか。香りによってどのような身体的・精神的変化が起きるのか。いくつかの研究事例を分析しながら、香りが今どれだけ必要とされているか、さらには、香りが今後どのような存在に成長していくのか、現代と昔の香り文化の違いを比較しながら考察していく。
講評  見たり聞いたりの文化や流行には、関心のない人を素通りさせてくれる余地があるけれども、香りや臭いに関しては、それが許されない。香りや臭いは、人間のより本能的なところを刺激しているようだ。この論文を読んで、若い人たちが、幼少時からいわば香りのマーケティングにさらされていることがわかった。(特に若い)人は自分の香りや臭いを正確に確認できない一方で、他人の香りや臭いには敏感である。それは、著者が述べているように自分を「癒す」効果をもつが、他者への暴力性もともなう。その社会的意味について、もう一歩踏み込んでほしかった。
キーワード1 香り
キーワード2 嗅覚
キーワード3 香水
キーワード4 香害
キーワード5 香りマーケティング
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