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学科 | メディア学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 竹内 幸絵 |
タイトル | なぜ「劇場版名探偵コナン」は人気なのか-映画の枠を超えた謎に迫る- |
内容 | なぜ『劇場版名探偵コナン』シリーズは、人気が出ているのか。本シリーズは、2019年公開の『紺青の拳』まで7作品連続で興行収入を更新し続けており、本シリーズが人気となった要因を考察し、作中における変化を分析した。近年、本シリーズに魅了された20代女性が劇場に足を運ぶ機会が多くなっており、この女性人気が興行収入の増加の直接的要因であると考えた。その後インタビュー調査を実施した結果、この女性人気は容姿端麗な男性キャラクターの存在が影響を及ぼしているのではないかと仮説を立て、男性キャラクターの行動または立ち位置の変化と興行収入の因果関係を分析した。その結果、シリーズを追うごとに男性キャラクターの立ち位置が単なる協力者から主役へと変貌を遂げており、作品の評価(面白さ)よりも男性キャラクターの活躍が興行収入に影響を与えていることが判明した。つまり、本シリーズの人気は男性キャラクターの活躍こそが要因であり、時代の変化に応じて物語構成が進化を遂げたと言えよう。 |
講評 | 年1本封切られる劇場版「名探偵コナン」シリーズは、長く越えられなかった興行収入40億円の壁を破り、近年は毎年90億円越えとなっている。筆者が指導の当初持参したのは、その「名探偵コナン」の売り上げの伸びと作品評価が相反しているという興味深いデータだった。彼はこのなぞときを論文のテーマとした。映画評価サイト(Yahoo映画)での人気投票結果とあらすじとを対照すると、主要キャラクターよりもイケメン男性キャラが多く登場する作品のほうが人気が高い。これは作品の評価とはまったく一致しない。若い女性ファンの増加が収入増加の支えであり、「名探偵コナン」は「作品の質よりも安定的な興行収入を選ぶ」、「芸術」としての価値を求めない、従来の映画界の常識を覆した劇場版映画だと結論付けた。ポスター上でのキャラクターの扱い分析や、独自インタビューも行ったメディア学科らしいユニークな論文となった。 |
キーワード1 | 名探偵コナン |
キーワード2 | 映画分析 |
キーワード3 | 男性キャラクター |
キーワード4 | 興行収入 |
キーワード5 | 作品の評価 |
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