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学科 | メディア学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 竹内 幸絵 |
タイトル | 『プレスアルト』から導く昭和の百貨店―顧客の変化と「令和」への継承を考える― |
内容 | 百貨店は街から消えてしまうのか。本論文の目的は、インターネットやショッピングセンターも存在しない時代から、新しい文化を発信し大衆に近いメディアであり続けた昭和の百貨店の姿に迫り、輝かしかった昭和の百貨店から令和の百貨店は何を学ぶべきかを考察することである。昭和の百貨店を調査するにあたり1937年から1970年頃まで発行されていた広告専門誌『プレスアルト』を用いた。広告印刷物の現物と専門家による解説冊子を一緒に綴じる独自のスタイルを貫く『プレスアルト』は、ビジュアルと文章で昭和の日常生活、消費文化を映し出す。この魅力的な資料に掲載されていた1940年から1960年頃までの百貨店広告・解説冊子の分析と、先行研究との比較から、顧客の変化とその要因について述べる。最後に、必要な情報だけを簡単に収集できる「令和」における、訪れるだけで意図せずとも新たな価値観や気付きを人々に提供できる百貨店の社会的価値について言及する。 |
講評 | 指導教官の研究対象である広告資料群の整理を補助してくれたことがきっかけで、筆者は卒論のテーマを広告、しかも昭和の百貨店広告を対象とすると定めた。大量の昭和広告を前に当初どう取り付くかに悩んだが、広告分析を通して昭和の百貨店の実態に迫り、それを踏まえてこれからの百貨店を考えるという目的を掲げ、先行研究を参照しつつ個別広告から時代を読んでいく。1954年の高島屋のフロア図には1階エントランスに男性商品があり、この時点でも男性が顧客の中心であったことを見出し、1958年の伊勢丹のカタログに「男性物は思い切ってやめた」との記述を発見し女性を中心に置く流れが始まってきたと捉える。年中季節に合わせた広告に追われる百貨店と、ブランド広告との違いに対する考察もユニークだ。実体験を通じて新しい出会いや価値観を提供する百貨店というメディアに就職します、と宣言した筆者に、心よりエールを送りたい。 |
キーワード1 | 『プレスアルト』 |
キーワード2 | 百貨店 |
キーワード3 | 広告 |
キーワード4 | 大衆 |
キーワード5 | |
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