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学科 産業関係学科
年度 2019
ゼミ名 岩月 真也
タイトル 長時間労働の実態と原因
内容 我が国における労働環境を、労働時間の観点から考察する。歴史的な流れの中で労働時間は少しずつ短縮されていったが、劇的な変化はないといえる。現代においても、国際的な比較等から日本の労働時間が長時間であることは周知の事実である。その要因は、使用者側・労働者側の双方に存在している。また、日本における労働市場の構造が長時間労働に大きな影響を与えている。そして、これらは日本的雇用慣行に起因している。使用者側は景気動向や経営状況による生産量の調整を既存労働者の時間外労働で調整してきた。労働者側は業務外の人間関係までを考慮し、過剰な労働を行ってきた。政府は本来それらを監督する立場ではあるが、使用者側の恣意的な法運用を黙認し、労働者はそれに対して一時は組合活動等を通じて抗議を行うも使用者側との妥協を選択してきた。現在、“ワークライフバランス”のために“働き方改革”が推進されているが、その中身は依然として労働時間の強制的な短縮を中心としたものとなっている。長時間労働の起因となってきた要素を十分に考慮せずに推進されている政策である。今後それが成功するかは不透明といえるだろう。
講評 本論文は日本における長時間労働の問題について、歴史的経緯を踏まえた上で、その実態と原因を探ろうとした力作である。長時間労働に関する主要な文献を参照しながら組み立てられている。単に日本の長時間労働に対して警笛を鳴らすのではなく、その長時間労働の発生に労使の一定の合意が起因していると見る鋭さを内包している。今後の社会人生活の過程において、より深い理解が得られるものと思う。
キーワード1 長時間労働
キーワード2 日本的雇用慣行
キーワード3 日本的雇用慣行
キーワード4 三六協定
キーワード5 働き方改革
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