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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 岩月 真也 |
タイトル | 無償労働の再分配―家事負担の共有に向けて― |
内容 | 女性の社会進出が進み、共働き家庭が一般的となった今でも、家庭内の無償労働(家事・育児)の負担は妻に大きく偏っている。本論ではデータを用いて、家事分担が偏る要因を、性的役割分担、長時間労働・夫婦の就業形態、男女の家事に対する認識のギャップの3つの観点から考察する。また家事労働の調査研究においてこれまで不十分とされてきた精神的な面も、家事分担への不公平感や負担感という項目で言及している。家庭内で行われる無償労働は、有償労働に比べ外部(政府や企業)からのアプローチが難しいからこそ、内部(=自身)のアプローチが重要となる。今年、見えない家事を取り上げた「やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた」という本が話題となり、数々の反響を呼んでいる。重要なのは平等に家事分担することではなく、夫婦間で納得できるそれぞれの家庭の形を見つけることであり、こうした研究が少しでも誰かが一歩踏み出すきっかけとなればと思う。 |
講評 | 本論文は女性の社会進出が進み、今や共働き世帯が一般的となっているにも関わらず、なぜ家事・育児の負担が女性に偏っているのかを探ったものである。とりわけ、「名もなき家事」という概念を用いた点はユニークで面白い。家庭内における家事分担に対する男女間の納得は、おそらく女性側の消極的な合意により形成されているのだろう。男性読者は「名もなき家事」の遂行を促される。私もその一人である。新たな気付きを提示した作品である。 |
キーワード1 | 無償労働 |
キーワード2 | 夫婦の家事分担 |
キーワード3 | 見えない家事 |
キーワード4 | 家事負担感 |
キーワード5 | 性的役割分担 |
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