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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 岩月 真也 |
タイトル | 最低賃金引き上げの構造―令和元年度の事例と比較― |
内容 | 本論文では、平成31年10月1日に実施された最低賃金引き上げについて、どのような手順を経て導入するに至ったか、また具体的にどのような審議が実際に行われていたのか、ということについて議事録などをもとに調査した。その結果、はじめに中央最低賃金審議会によってそれぞれの地域のランクごとに、どのくらい最低賃金額を引き上げるのかという「目安額」が決定された後、その目安額を公表した上で、それぞれの地方で行われる地方最低賃金審議会に決定を委託する。この目安額はあくまで「目安」であり強制的ではないが、地方ではほとんどがこれに従うか、もしくはこの額よりも多めに設定するところが多い。しかしその目安額の決定は、労使間での話し合いを通じ行われるが、意見の不一致として公益委員が最終的な答申を提出することが殆どである。よってこのように労使間だけで解決できないことと、今回の引き上げに関しては政治的な色が強いことに疑問を抱いた。 |
講評 | 渋いテーマである。多くの学生が長時間労働、雇用における男女格差、ワーク・ライフ・バランス等に関連するテーマを取り上げるのに対して、本論文は、最低賃金の決定の仕組みを制度的側面から取り扱っている。そして、最低賃金の決定方式の枠組を提示し、労使双方の立場を踏まえた上で考察している。最低賃金の引き上げに関する政治的関与に対して筆者は疑問を提示しているけれど、その疑問に対する筆者自身の解釈を探ってほしい。今後の研究課題である。 |
キーワード1 | 最低賃金 |
キーワード2 | 中央最低賃金審議会 |
キーワード3 | 目安額 |
キーワード4 | 地方最低賃金審議会 |
キーワード5 | 公益委員 |
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