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学科 産業関係学科
年度 2019
ゼミ名 岩月 真也
タイトル 無償労働の在り方―性別役割分業の終焉―
内容 本論文では、無償労働とりわけ家事活動を政策面、日本における実態、性別役割分業という視点で分析、考察してきた。政策面では、多くの国で有償労働に対する政策は議論が行われているが、無償労働については具体的な実態を把握することすらままならない状態が続いており、対策について議論する段階に達していないことが分かった。日本では家事活動の比重が著しく女性に偏っている現状を、貨幣価値に換算することで明確にした。貨幣評価額の構成割合では、女性が男性の約3倍も家事活動を担っていることが明らかとなった。日本ではこれまで家庭内での性別役割分業が多く取られている現状が長く続いてきた。しかし夫婦共にフルタイムで働く共働き世帯がさらに増えてゆく今後では、これまでと同様の性別役割分業を維持することは困難である。妻が外での仕事をこなし、家の仕事をも一手に担うことができない家庭が増えていく中で、新たな家族や夫婦の形が求められてゆくだろう。これからの時代は夫婦ともに、生計維持と家事との役割を分担できるよう、各家庭内ではもちろんのこと、企業や政府等、官民を挙げて無償労働について向き合わなければならない時は来ている。
講評 本論文は家事や育児といった無償労働に対して、貨幣価値の換算を施すことによって、女性が男性の3倍もの無償労働を担っていることを明らかにしている。かつては、男性が長時間労働を強いられる正社員としての役割を担い、女性は家事もしくはパートという役割を担っていたけれど、近年は、女性も男性と同様に正社員としての役割を担うようになってきた。その結果、これまでのように無償労働を女性が担う合理的説明もしくはその根拠が希薄化してきている。今後の日本社会の無償労働をめぐる男女関係の検討を促す秀作である。
キーワード1 無償労働
キーワード2 家事活動
キーワード3 貨幣評価
キーワード4 性別役割分業
キーワード5  
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