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学科 産業関係学科
年度 2019
ゼミ名 寺井 基博
タイトル 新規学卒者一括採用の特徴と今後について
内容 2018年、経団連が「採用選考に関する指針」を廃止すると発表した。これにより、日本独特の雇用慣行である新規学卒者一括採用に影響があると考えられる。経団連の発表を受けて、新規学卒者一括採用という慣行はどのようにして生まれたのか、経団連の定める指針の廃止によって学生の就職活動にどのような影響が生じるのか等の疑問が生じ、明らかにしたいと考えた。本論文では、日本の雇用慣行の一つである新規学卒者一括採用の特徴と歴史、問題点、そして新卒採用の今後について様々な文献をもとに論じる。 新規学卒者一括採用には、(1)学業を疎かにしてしまう、(2)就職が一発勝負で、会社に合わなければ早期離職する可能性がある、(3)就職に失敗すると既卒者となり、就職の条件が不利になる、(4)景気が後退すれば、企業の採用枠が減ってしまう、という主に4つの問題点があることがわかった。 こうした問題の解決策の一つとして「トライアル雇用」というものがあることもわかった。
「働いてから採否・入社を決める」というシステムをすすめていけば新卒者の早期離職を減らすことができると感じた。
講評 卒業論文の作成は、先行文献を読み込み、時にはインタビュー等の調査を行い、それらの知見をもとに自らの考えを文章にまとめるという地味で忍耐を要する作業なので、まずは各人が関心をもって取り組むことができるようにするため、テーマは自由とした。
提出された卒業論文のテーマは、長時間労働、非正規雇用、女性労働、高齢者雇用など働き方改革に関するもの、リーダーシップやマネジメントなど組織運営に関するもの、採用や転職などキャリアに関するもの、貧困などの社会問題に関するものに分かれている。いずれも、自身の経験あるいは家族・友人の経験に根差した具体的な事柄に関心が寄せられていたので、明確にテーマ設定されたものが多かった。
テーマが明確で論点が絞られている論文ほど、論旨も明瞭であった。例えば、長時間労働を扱った論文では、長時間労働の原因を法制度から読み解き、ホワイトカラー・エグゼンプションという解決策を提示する見解について、産業関係学の観点からの再検証が試みられた。法律が守られるためには、法律によって設定された基準を遵守するための職場ルールの形成が不可欠であることが指摘される。また、スポーツにおけるリーダーシップ論に関する論文では、個人競技でのリーダーシップ発揮の難しさが論じられている。
また、論文作成に費やした時間に比例して、論点把握や考察が深まる傾向にある。文献レビューやインタビュー内容の考察などの地味な作業が、論文の出来栄えに大きく影響しているものと考えられる。
先行文献のレビュー、問題把握、文章構成などに精粗はあるものの、ゼミ生全員が卒業論文執筆に真面目に取り組んできたことは大いに評価に値する。この卒業論文は紛れもなく「大学生活の到達点」であり、各人はここから社会人としての一歩を踏み出しさらに研鑽を積んでもらいたい。
キーワード1 新規学卒者一括採用
キーワード2 就職
キーワード3 ジョブ・カード制度
キーワード4 トライアル雇用
キーワード5  
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