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学科 産業関係学科
年度 2019
ゼミ名 寺井 基博
タイトル 子どもの貧困と学力格差 ~つながり格差から考える~
内容 本論文では、子供の貧困による学力格差を一つの問題として取り上げ、その貧困の連鎖を食い止めるために、学校現場ではどのような取り組みができるのか、志水氏の提起する「つながりの格差」をもとに考えていく。子どもの貧困は、次の世代へと連鎖を繰り返し学力格差もこれによって生まれる。それに対して志水氏は、家庭への働きかけ、地域への働きかけ、学校での働きかけが大切であると考える。それをもとに3校の小学校につながりを意識した働きかけとして実際にどのような取組をしているのかインタビューをした。その結果、子どもたちの学力の格差をなくすためには、学校ごとで地域の特色を生かし、地域や家庭、学校間で連携し、学校づくりをしていくことが大切であることがわかった。
講評 卒業論文の作成は、先行文献を読み込み、時にはインタビュー等の調査を行い、それらの知見をもとに自らの考えを文章にまとめるという地味で忍耐を要する作業なので、まずは各人が関心をもって取り組むことができるようにするため、テーマは自由とした。
提出された卒業論文のテーマは、長時間労働、非正規雇用、女性労働、高齢者雇用など働き方改革に関するもの、リーダーシップやマネジメントなど組織運営に関するもの、採用や転職などキャリアに関するもの、貧困などの社会問題に関するものに分かれている。いずれも、自身の経験あるいは家族・友人の経験に根差した具体的な事柄に関心が寄せられていたので、明確にテーマ設定されたものが多かった。
テーマが明確で論点が絞られている論文ほど、論旨も明瞭であった。例えば、長時間労働を扱った論文では、長時間労働の原因を法制度から読み解き、ホワイトカラー・エグゼンプションという解決策を提示する見解について、産業関係学の観点からの再検証が試みられた。法律が守られるためには、法律によって設定された基準を遵守するための職場ルールの形成が不可欠であることが指摘される。また、スポーツにおけるリーダーシップ論に関する論文では、個人競技でのリーダーシップ発揮の難しさが論じられている。
また、論文作成に費やした時間に比例して、論点把握や考察が深まる傾向にある。文献レビューやインタビュー内容の考察などの地味な作業が、論文の出来栄えに大きく影響しているものと考えられる。
先行文献のレビュー、問題把握、文章構成などに精粗はあるものの、ゼミ生全員が卒業論文執筆に真面目に取り組んできたことは大いに評価に値する。この卒業論文は紛れもなく「大学生活の到達点」であり、各人はここから社会人としての一歩を踏み出しさらに研鑽を積んでもらいたい。
キーワード1 子どもの貧困
キーワード2 学力格差
キーワード3 つながり格差
キーワード4 公立小学校
キーワード5  
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