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学科 社会学科
年度 2009
ゼミ名 鵜飼 孝造
タイトル ラベリング論から考える「オタク」の変化
内容  オタクは何故オタクなのか。「お金も時間も割いて何かを熱心に集めている」からだろうか。それとも「バンダナを巻いて紙袋を持ちメガネをかけてアニメ柄のTシャツを着て何だか怪しそうだ」からだろうか。前者の意味合いが薄れラベリングによって認識されるようになったオタク。イメージが大きな意味を持つようになってしまった。80年代後半からオタクは宮崎事件によって危険な存在として遠ざけられていった。現在ではその側面を残しながらより浅く軽く広まった。昨年夏私はコミックマーケット74に行った。50万人の迫力に圧倒されながらも、一人一人と話してみるとごく普通の人達だった。いかにレッテルによって人を判断していたかという事が分かった。しかし人はレッテルによって与えられた役割を演じてしまうことがある。レッテルを貼られることで起こる世間からの排除が負のスパイラルを生んでしまう。オタクというレッテルが貼られる経緯とその影響、それによって生じる変化を考察した。
講評  日本のオタク現象には四半世紀を超える歴史があり、いまや一部の先端的な人々のことというよりは、広く風俗の中に埋没している感がある。「オタクはすでに死んでいる」と言われる所以である。しかし、この論文はいわゆる「オタク研究」とはやや異なった視点から書かれている。オタクとは何かとはほとんど無関係に、凶悪犯罪者に「オタク」のラベルが貼られ、逆に「オタク」だから犯罪をおかしたのだと自己循環的に説明されるプロセスが抽出されている。特別な人ではなく、誰でもオタクにされてしまうメディア社会の恐ろしさを、さらに掘り下げてほしい。
キーワード1 オタク
キーワード2 レッテル
キーワード3 マイナスイメージ
キーワード4 犯罪との関連
キーワード5 現代のあらゆる人間関係の市場(友人、恋愛)からの排除
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