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学科 社会学科
年度 2009
ゼミ名 鵜飼 孝造
タイトル ドメスティック・バイオレンス――愛するがゆえの暴力――
内容  DVとは、配偶者あるいは恋人関係にある相手からの暴力である。身体的な暴力、精神的な暴力、性的な暴力とその形態は様々であり、またそれはある特定の人格や性格をもった人間が原因となって起こるのではなく、相互の親密な関係が引き起こす問題である。DVにはある一つの理論が存在する。それは暴力のサイクル理論と称されるものである。加害者の緊張が高まる第一期、その高まった緊張が爆発し、暴力となって放出される第二期、その暴力に対する謝罪と愛情に満ちた第三期が一つのサイクルとなって循環される。そのサイクルこそが、DVという問題の潜伏を助長してしまう一つの要因となる。無論こうした問題を野放しにしていてはいけない。加害者の意識に呼びかけると同時に自分がDV加害者であるということに自覚をもたせ、それまでの行動を改めさせなければならない。しかし何より大切なのは、まず被害者を救うことである。すべての人が人を人として尊重することができれば、DVという問題はなくなるかもしれない。
講評  人は誰でも自分を尊重してほしい自然な気持ちをもっている。しかし、家の中で男が女よりも優位に立ちたいという「本音」は、家父長的な家族制度の産物である。いったんそれが通用してしまうと、合理的に説明不可能な感情であるから、それを押し通すために男性は(物理的であれ非物理的であれ)女性に対して暴力をふるうことになる。暴力を受けた女性が男性に(経済的であれ精神的であれ)依存している場合は、しばしば暴力を容認してしまい、連鎖的に、母は暴力に甘んじる子どもを再生産してしまう。DVとは決して特殊な現象ではないことを知るべきだ。
キーワード1 DV(ドメスティック・バイオレンス)
キーワード2 暴力
キーワード3 サイクル理論
キーワード4 加害者
キーワード5 被害者
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