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学科 教育文化学科
年度 2019
ゼミ名 越水 雄二
タイトル 今なお『レ・ミゼラブル』が人々を惹きつける理由
内容 『レ・ミゼラブル』の作者、ヴィクトル・ユゴーはフランス革命後、19世紀初頭のフランス社会での貧富の差、貧困に苦しむ哀れな人々の姿を小説で記そうとした。それから200年以上たった今でも世界中でこの小説が読まれ、映画化された作品がヒットし、ミュージカルが上演され続けている。本論文では、彼が小説に込めた願いは社会に届いているのか、また、なぜ21世紀の現在も世界中でこの作品が人々を惹きつけ続けるのかを考察する。
1章では『レ・ミゼラブル』のあらすじと登場人物紹介、作品が上演されてきた歴史、作者ヴィクトル・ユゴーについて紹介する。2章では『レ・ミゼラブル』の舞台である19世紀フランス社会について、その歴史背景や、貧富の差、犯罪・貧困・堕落について、また『レ・ミゼラブル』のなかに登場する貧困について紹介する。3章では現在のフランスが19世紀フランスと比べてどう変化したのかを考えるため、貧困や女性の不遇、子どもの貧困などの問題、また社会保障について紹介する。
講評 「西洋教育文化ゼミ」では2019年度に14名が卒業論文を提出しました。テーマの設定は全く自由ですが、次に列挙する六つの傾向が認められる結果になりました。

第一に、イギリスの紅茶文化やコーヒーハウス、フランスのカフェといった、飲物を介した人びとのつながりの在り方から現代人の生活に必要なものを考えるテーマ。第二に、グリークラブと音楽史、柔道部と武道教育のように、大学で熱心に取り組んだ芸術やスポーツに関するテーマ。第三に、個人の教育思想と実践としてルドルフ・シュタイナーを2名がテーマにし、第四に、地域の教育文化として北欧の神話や学校教育制度と、北欧諸国と並んで子どもの幸福度が高いと言われるオランダが取り上げられました。第五に、フランスの映画や文学に関するテーマは、映画や舞台芸術への関心から選ばれたものです。そして、中世の女性観と女子教育や現代女性の生き方がテーマにされた背景には、ジェンダーをめぐる問題への関心があります。

以上の六つの柱からなる14の卒業論文には、調査と考察の視野の広さと深まりの点で差が見られるのは残念ですが、ゼミ生が自分の興味関心から執筆を進め、それぞれに可能な範囲で色々な工夫や努力をした跡が認められる点は良かったと私は思います。研究テーマについて各自が調べて考えた内容と、ゼミで中間報告と検討の議論を重ね、提出前には原稿を読み合い確認した経験などが、皆さんの財産になることを祈ります。
キーワード1 レミゼラブル
キーワード2 フランス
キーワード3 19世紀
キーワード4 社会問題
キーワード5 ヴィクトル・ユゴー
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