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学科 教育文化学科
年度 2019
ゼミ名 越水 雄二
タイトル 教会音楽史におけるドイツ宗教改革の現代的意義-Martin Lutherを中心に-
内容 本論では、キリスト教音楽がいかなる歴史を経て今日に至るのか、また宗教改革期ドイツの音楽が教会音楽史上の転機となった背景について明らかにする。さらに、教会音楽史において宗教改革期が教育や人間形成にどのような意味を持つのか、またルターの改革はなぜヨーロッパ全土にまで影響力を及ぼしたのか。古代キリスト教から音楽史をさかのぼることで、改革期の重要さを知る手がかりとしたい。
第一章では教会音楽について、古代から中世、宗教改革期前後の歴史をまとめたのち、第二章で宗教改革期の教会音楽について、ルターの人物像やコラール、カテキズムに焦点を当てる。さらに、第三章ではコラールからバッハを経て現代にいたる宗教音楽について幅広く取り扱うことにより、現代の宗教音楽におけるコラールやバッハの影響について考察する。以上により、ドイツ宗教改革の現代的意義を見出し、今後の宗教音楽を展望することを本論の目的とする。
講評 「西洋教育文化ゼミ」では2019年度に14名が卒業論文を提出しました。テーマの設定は全く自由ですが、次に列挙する六つの傾向が認められる結果になりました。

第一に、イギリスの紅茶文化やコーヒーハウス、フランスのカフェといった、飲物を介した人びとのつながりの在り方から現代人の生活に必要なものを考えるテーマ。第二に、グリークラブと音楽史、柔道部と武道教育のように、大学で熱心に取り組んだ芸術やスポーツに関するテーマ。第三に、個人の教育思想と実践としてルドルフ・シュタイナーを2名がテーマにし、第四に、地域の教育文化として北欧の神話や学校教育制度と、北欧諸国と並んで子どもの幸福度が高いと言われるオランダが取り上げられました。第五に、フランスの映画や文学に関するテーマは、映画や舞台芸術への関心から選ばれたものです。そして、中世の女性観と女子教育や現代女性の生き方がテーマにされた背景には、ジェンダーをめぐる問題への関心があります。

以上の六つの柱からなる14の卒業論文には、調査と考察の視野の広さと深まりの点で差が見られるのは残念ですが、ゼミ生が自分の興味関心から執筆を進め、それぞれに可能な範囲で色々な工夫や努力をした跡が認められる点は良かったと私は思います。研究テーマについて各自が調べて考えた内容と、ゼミで中間報告と検討の議論を重ね、提出前には原稿を読み合い確認した経験などが、皆さんの財産になることを祈ります。
キーワード1 教会音楽史
キーワード2 ドイツ宗教改革
キーワード3 ルター
キーワード4 コラール
キーワード5 カテキズム
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