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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 越水 雄二 |
タイトル | フランス映画におけるリアリスム考察 |
内容 | 芸術の国と呼ばれるフランスにおいて、総合芸術である映画がどのような変遷を重ねてきたのか、本論文ではその中でも「リアリスム」性に着目していく。また、認知心理学の観点から、映画として「リアリスム」性をもった作品がどのように人間に影響を及ぼすのか考察していく。 第1章では、フランス映画史について、世界初の映画から、多様化したスタイルとなった現代までを、「リアリスム」性を抽出しつつ紹介いていく。2章では、映画批評家であり、リアリスム論を追求したアンドレ・バザンについて述べる。続く3章では、「リアリスム」映画とその認知作用、心的影響について論じ、具体的に作品を取り上げ、前節の観点からフランス「リアリスム」映画の影響力・重要性について、教育的に意義のあるものであると結論づける。 |
講評 | 「西洋教育文化ゼミ」では2019年度に14名が卒業論文を提出しました。テーマの設定は全く自由ですが、次に列挙する六つの傾向が認められる結果になりました。 第一に、イギリスの紅茶文化やコーヒーハウス、フランスのカフェといった、飲物を介した人びとのつながりの在り方から現代人の生活に必要なものを考えるテーマ。第二に、グリークラブと音楽史、柔道部と武道教育のように、大学で熱心に取り組んだ芸術やスポーツに関するテーマ。第三に、個人の教育思想と実践としてルドルフ・シュタイナーを2名がテーマにし、第四に、地域の教育文化として北欧の神話や学校教育制度と、北欧諸国と並んで子どもの幸福度が高いと言われるオランダが取り上げられました。第五に、フランスの映画や文学に関するテーマは、映画や舞台芸術への関心から選ばれたものです。そして、中世の女性観と女子教育や現代女性の生き方がテーマにされた背景には、ジェンダーをめぐる問題への関心があります。 以上の六つの柱からなる14の卒業論文には、調査と考察の視野の広さと深まりの点で差が見られるのは残念ですが、ゼミ生が自分の興味関心から執筆を進め、それぞれに可能な範囲で色々な工夫や努力をした跡が認められる点は良かったと私は思います。研究テーマについて各自が調べて考えた内容と、ゼミで中間報告と検討の議論を重ね、提出前には原稿を読み合い確認した経験などが、皆さんの財産になることを祈ります。 |
キーワード1 | リアリスム |
キーワード2 | アンドレ・バザン |
キーワード3 | バザン主義 |
キーワード4 | 映像認知論 |
キーワード5 | |
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