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学科 教育文化学科
年度 2019
ゼミ名 中川 吉晴
タイトル 世阿弥の花伝書から見た老齢期の発達
内容 本論文では、能役者である世阿弥が残した花伝書の中の数々の教えから、現代に生きる私たちの老齢期はどのようであるべきかについて論じた。第1章では、世阿弥の生涯と、役者としての到達段階を年代ごとに表した『風姿花伝』から、幼少期と青年期の発達を読み解き、世阿弥と関わりが深いと思われる先行研究を挙げた。第2章では『風姿花伝』から壮年期と老齢期の発達をとりあげ、老齢期の発達に欠かせない初心と「妙花風」という考えを深く論じた。第3章では現代の老齢期の課題を挙げ、ライフサイクル論を交えながら解決策を示した。老齢期を実りあるものにするためには、世阿弥の「妙花風」に相当する、これまでの経験によって形作られるオリジナリティを発揮しながら、現状可能な最大限のパフォーマンスを行うこと、後継者を育成すること、絶えず自分の技術を向上させようとすることが重要であることを明らかにした。
講評 本論文は、世阿弥をとりあげ、それを現代の高齢化社会の問題と結びつけており、世阿弥に関する詳しい考察に加えて、老齢期の現状、ライフサイクル論における老齢期のとらえ方などを考察にふくみ、独自性が豊かで、意欲的な内容になっている。論文としての完成度が高いものである。
キーワード1 世阿弥
キーワード2 老齢期
キーワード3 『風姿花伝』
キーワード4 ライフサイクル
キーワード5  
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