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学科 教育文化学科
年度 2019
ゼミ名 山田 礼子
タイトル 在日ブラジル人の大学進学―彼らはどのようにして再生産のサイクルを抜け出したのかー
内容 本稿では、日本で大学進学を果たした在日ブラジル人に着目し、彼らがどのように大学進学を果たしたのかを家族資本、言語資本の側面から明らかにした。調査の結果、家族資本に関して、今回の調査対象者は幼少期から教育の重要性を親から説かれており、高等教育への進学意識が家族によって形成されていたことが示唆された。また学校内で起きた問題に対して、教育委員会や通訳などの第三者機関を利用して問題解決に取り組む、親の積極的な介入が見られたことから、学校文化に馴染めず周辺化されやすいニューカマーの抵抗力として、家族という存在が機能していたことが示された。言語資本に関しては、日本社会で高位言語に位置付けられる英語を得意科目としていたことが彼らの自尊感情を高め、学習を続ける際の精神的な支えとなったことが示された。
講評 本年度の卒業論文を執筆した学生は20000字が17名、10000字が5名の計22名であった。今年の学生たちは、比較的早期から課題を設定して課題に取り組んだといえる。また、当該ゼミでは大学院生を交えてのゼミでのディスカッションも日常化していることもあり、大学院生からのアドバイスを受けることもできた。全体として、段階的に提出をしながら、完成に近づけてきたが、段階ごとに、教員からのコメントを受けて、修正した内容を教員に提出するというプロセスが機能したと評価できるだろう。ラーニング・コモンズを積極的に利用し、ラーニング・コモンズに常駐している教員からの学習指導を受けたことも、自立的に卒業論文に向き合えた要因となった。当該ゼミでは、20000字の卒業論文では、データを収集し、それを分析することが基本となっているため、早期からデータ収集に取り掛からなければ、分析と卒業論文執筆までこなすことはむずかしい。そうした調査のスケジュールとの兼ね合いという難しい点もあるが、進捗状況をゼミのクラスで発表するたびに、ゼミ生同志あるいは教員からのアドバイスを受けながら、どこまでをいつまでにしなければいけないかということを今年は比較的スムーズに積み重ねることができたように思う。また、10000字の卒業研究についても、データを収集しないで、課題を設定し、それを文献を主に参照しながら、分析するというプロセスであるが、かえって曖昧となりがちで難しいのであるが、今年の10000字を選択した学生たちは、比較的曖昧さがない、10000字内での課題設定と分析ができていたように思う。ぜひ、20000字選択と10000字選択において、来年度の4回生(わたくしが今年サバティカルであったことから、4回生はいない可能性があるが)に今年の経験を伝え、踏襲できるようなシステムを構築してほしい。
キーワード1 高等教育
キーワード2 南米系ニューカマー
キーワード3 移民
キーワード4 文化資本
キーワード5 在日ブラジル人
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