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学科 | メディア学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 勝野 宏史 |
タイトル | :『刀剣乱舞』から見る現実と虚構の関係性 |
内容 | 本稿は、近年新たに確立されてきた2.5次元という文化領域に着目することで、現代におけるリアリティのあり方について論じた。現実と虚構の関係性について言及するため、メディアミックスが盛んな『刀剣乱舞』のコンテンツ分析を行い、特に2.5次元の領域であるミュージカル、舞台に注目した。この研究から、現代は現実と虚構が明確に区別できず、それらが複雑に絡み合うことで多項対立的なリアリティが存在していることが分かった。その背景として、モバイル社会に伴い、人々は情報の受け手でありながら自らも情報の発信者として、相互的に影響を及ぼし合って価値観を形成している現状がある。また、個人化が急激に進行している今、人々はバーチャル空間と目の前の現実を区別することなく、自分の見たいものを取捨選択してそれを「現実」とみなしている。2.5次元という新たな文化領域が人々に受け入れられてきたのも、多様な現実感を受け入れ楽しむ鑑賞者が増加してきたことに起因すると考察する。 |
講評 | 今年度は多様なテーマからなる22の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.社会・文化的価値観・アイデンティティ 2.メディア環境・リアリティ 3.表象(ジェンダー・他者・地域) 4.消費社会・資本主義・デザイン。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその解釈の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが別々のテーマに着目しながらも、最終の口頭試問において明らかとなったのは、すべての論文が何らかの形で「変容」「流動化」もしくは「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。最後にゼミ全体としてその様な大きな問いを共有することができたのはゼミ参加メンバーが主体的な議論を重ねてきた結果であろう。 |
キーワード1 | 移動(モビリティ)の時代 |
キーワード2 | モバイル社会 |
キーワード3 | 多項対立的なリアリティ |
キーワード4 | 2、5次元 |
キーワード5 | |
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