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学科 メディア学科
年度 2019
ゼミ名 勝野 宏史
タイトル 日本の大学スポーツにおける「結果と過程」について、学生の立場(言葉)から読み解き、分析する
内容 現代スポーツにおいて、勝利至上主義という「選手は勝つことが全て」という考え方は主流であった。しかし近年、勝利至上主義に批判的意見が形成され、是非について様々な意見が飛び交っている。その中で、スポーツは「楽しむためのもの」「人間形成、成長」といった本来の意味が再び問われ始めていることに注目した。
中でも、その競技に対する過程を重視するという価値観の台頭が大学スポーツのあり方にどのような影響をおよぼし、学生がいかにしてスポーツと向き合っているのか明らかにすることを目的とした。
本論文では、先行研究ではあまり触れられていなかった現役の大学生選手に調査し、分析を行った。調査を通して、本体育会学生の多くは文武両道を目標に、勝たなければならないプレッシャーはあるものの、実際取り組む中で勝ちたいと思い、身体を酷使し我慢してでも前向きに取り組んでいることが分かった。組織やスポンサーといった大人たちは商業化や広告材料という問題から勝利至上主義を切り離すことは出来ないだろう。しかし、学生たちは勝利至上主義とプロセス重視主義両方の考え方に折り合いをつけながら大学スポーツに取り組む姿勢を貫いている。世間とのギャップを無くすことが今後の課題となる。
講評 今年度は多様なテーマからなる22の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.社会・文化的価値観・アイデンティティ 2.メディア環境・リアリティ 3.表象(ジェンダー・他者・地域) 4.消費社会・資本主義・デザイン。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその解釈の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが別々のテーマに着目しながらも、最終の口頭試問において明らかとなったのは、すべての論文が何らかの形で「変容」「流動化」もしくは「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。最後にゼミ全体としてその様な大きな問いを共有することができたのはゼミ参加メンバーが主体的な議論を重ねてきた結果であろう。
キーワード1 大学スポーツ
キーワード2 学生スポーツ
キーワード3 、勝利至上主義
キーワード4 、プロセス重視主義
キーワード5 人間形成
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