詳細
学科 メディア学科
年度 2019
ゼミ名 勝野 宏史
タイトル  社会の変化に伴うお笑いの変化 ―新しく受け入れられた感覚「シュール」―
内容  近年、笑いの表現単語として「シュール」という言葉をよく耳にする。「シュール」はお笑い芸人に限らず漫画やアニメ様々なコンテンツで用いられるが、感覚的で曖昧な表現単語なため、「シュール」の言葉の意味を説明できる者は多くないだろう。そこで私は、「シュール」とは何か、また「シュール」なものがなぜ現代にウケているのかを明らかにするため、「シュール」誕生の前後のお笑い界の変遷、そして現代、社会において大きな影響を与えるSNSの中で特に「シュール」な投稿を視聴した。また、お笑い界の中でも、テレビ、動画配信サイト、劇場ライブ、SNS等様々なメディアの動画を分析した。そうした映像分析を通し、「シュール」なものには「現実(日常)と非現実(非日常)の混沌」や、お笑い用語でいう「ツッコミ」が発信者側には存在しなくても、受信者側の心の中で「ツッコミ」をさせるような「ボケ」要素を孕むという結論に至った。そして現代において「シュール」が増えたのは、ワイプやテロップなどのテレビや動画の編集技術により人工的な非現実(非日常)と現実(日常)の共存を可能としたこと、またSNSにより一般人でも意見を大衆に発信できる環境で「シュール」の発信者が多くなったこと、コメント機能や投稿文章により動画や画像の非現実(非日常)世界への「ツッコミ」が明確化したことによるものだと明らかにした。
講評 今年度は多様なテーマからなる22の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.社会・文化的価値観・アイデンティティ 2.メディア環境・リアリティ 3.表象(ジェンダー・他者・地域) 4.消費社会・資本主義・デザイン。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその解釈の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが別々のテーマに着目しながらも、最終の口頭試問において明らかとなったのは、すべての論文が何らかの形で「変容」「流動化」もしくは「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。最後にゼミ全体としてその様な大きな問いを共有することができたのはゼミ参加メンバーが主体的な議論を重ねてきた結果であろう。
キーワード1 「現実(日常)と非現実(非日常)
キーワード2 ボケとツッコミ
キーワード3 SNS
キーワード4  
キーワード5  
戻 る
Copyright (C) Doshisha University All Rights Reserved.