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学科 メディア学科
年度 2019
ゼミ名 勝野 宏史
タイトル 周縁化された「おっさん」のゆくえ
内容 近年の男性学において、男性は主に国家や企業および妻子との関係性において男らしさのアイデンティティを形成していることや、時代ごとの社会情勢の中で男性性が移り変わっていくことを指摘している。それらを踏まえ、「おっさんレンタル」というサービスの利用者(「おっさん」として自身を貸し出している中年男性)に注目し、「おっさん」と他者の関係性の分析を通して、現代日本社会における「おっさん」は、どのように自らのアイデンティティを形成しているのかを明らかにする。分析では「おっさんレンタル」の中年男性を対象にしたインタビュー調査を用い、その結果、「おっさん」がネガティブイメージとして「不潔感」や「新しい価値観に対する不寛容」が浮き彫りになった。さらに、そのネガティブイメージの解消に奔走する中で「おっさん」としての強み(経験や特性)
が意識されるようになり、アイデンティティの形成に繋がっていることがわかった。
講評 今年度は多様なテーマからなる22の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.社会・文化的価値観・アイデンティティ 2.メディア環境・リアリティ 3.表象(ジェンダー・他者・地域) 4.消費社会・資本主義・デザイン。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその解釈の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが別々のテーマに着目しながらも、最終の口頭試問において明らかとなったのは、すべての論文が何らかの形で「変容」「流動化」もしくは「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。最後にゼミ全体としてその様な大きな問いを共有することができたのはゼミ参加メンバーが主体的な議論を重ねてきた結果であろう。
キーワード1 「おっさんレンタル」
キーワード2 中年男性
キーワード3 男性
キーワード4 男らしさ
キーワード5  
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