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学科 | メディア学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 勝野 宏史 |
タイトル | ダークヒーローから見る絶対的正義の喪失 |
内容 | 本論文では、1970年代以降のポスト近代に台頭したダークヒーローに焦点を当て、ヒーローが描いてきた「正義」はいかに相対化されているのかを、価値観の「個人化」という観点から分析した。第3章においては米国映画『ジョーカー』、また第4章においては邦画『不能犯』を取り上げ、テキスト分析を行った。そしてかつて人々が共有していた絶対的正義は、現代のダークヒーロー作品において、いかに喪失されているのかを明らかにした。ダークヒーローの掲げる正義は、法やモラルに順じた絶対的正義とは異なり、彼ら自身により自己目的化された正義である。米国のダークヒーローは、自己目的化した正義を圧倒的に支持し、その多元性を正として描いた。一方で日本のダークヒーローは、正義の多元化の存在を依然として認めず、絶対的正義(=古い価値観)を回帰的な角度で是としながら、正義の二項対立性を強調したということを明らかにした。 |
講評 | 今年度は多様なテーマからなる22の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.社会・文化的価値観・アイデンティティ 2.メディア環境・リアリティ 3.表象(ジェンダー・他者・地域) 4.消費社会・資本主義・デザイン。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその解釈の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが別々のテーマに着目しながらも、最終の口頭試問において明らかとなったのは、すべての論文が何らかの形で「変容」「流動化」もしくは「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。最後にゼミ全体としてその様な大きな問いを共有することができたのはゼミ参加メンバーが主体的な議論を重ねてきた結果であろう。 |
キーワード1 | 個人化 |
キーワード2 | 絶対主義 |
キーワード3 | 正義 |
キーワード4 | ダークヒーロー |
キーワード5 | ポスト近代 |
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