詳細 | |
---|---|
学科 | メディア学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 勝野 宏史 |
タイトル | 「京都ブランド」の形成と変遷 -京都現代劇映画とアニメ聖地巡礼からみる京都観光社会学- |
内容 | 本稿では、京都現代劇映画と京都を舞台にした日常系アニメに着目し作品分析を行い、「京都ブランド」がいかに形成され変遷してきたか、はたまたそこに特殊性はあるのか、ということについて研究を行った。 作品分析と同時に観光社会学の観点からも考察し、多角的な視点からみても同じ結論が出ることが明らかとなった。 本稿が導き出した結論として、京都の「古都」ブランドは戦後、寺社仏閣や観光資源が焼け残り都市開発が他の都市に遅れを取った結果、もたらされたということがわかった。一方で京都ブランドには再帰性があるということもわかった。1200年という長い歴史の中で生まれた固有の文化と外から求められる「京都」像が合わさったとき、「京都であること」がアニメの聖地や観光地に「物語性」と「テーマ性」をもたらす。これが京都という都市の特殊性である。本稿での研究を通して、京都ブランドはこれからさらに多様化していくことが伺えた。 |
講評 | 今年度は多様なテーマからなる22の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.社会・文化的価値観・アイデンティティ 2.メディア環境・リアリティ 3.表象(ジェンダー・他者・地域) 4.消費社会・資本主義・デザイン。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその解釈の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが別々のテーマに着目しながらも、最終の口頭試問において明らかとなったのは、すべての論文が何らかの形で「変容」「流動化」もしくは「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。最後にゼミ全体としてその様な大きな問いを共有することができたのはゼミ参加メンバーが主体的な議論を重ねてきた結果であろう。 |
キーワード1 | 古都 |
キーワード2 | 日常 |
キーワード3 | 固有性 |
キーワード4 | 匿名性 |
キーワード5 | 京都 |
戻 る |