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学科 | メディア学科 |
年度 | 2019 |
ゼミ名 | 勝野 宏史 |
タイトル | 作られるにおいー消臭・無臭化市場の拡大に関する社会学的研究ー |
内容 | 本論文は、近年新たに登場した加齢臭・ミドル脂臭といったにおいのカテゴリーと、それに対応する消臭・無臭化市場に着目し、においが社会的にどのように作られているのか、またそれらの市場の拡大要因を明らかにすることを目的とする。 真相を究明するため、においがどのように描かれているのかという視点のもと、商品パッケージとCMを通じた消臭・無臭化商品の分析を行った。 結果、においへ過剰な反応をみせる広告が、多くの人々が抱く、加齢臭やミドル脂臭の取り除かれるべき悪いにおいというイメージを構築していることが分かった。加えて、においを除去しなければ、周囲の人々へも不快感を与えてしまうという強迫観念を生み出すことで、人々の消費行動を促していると分かった。 つまり、不必要なものを必要と思わせる消費社会が新たなにおいを作り出し、対応する商品への購買意欲を煽る企業戦略が、現代の消臭・無臭化市場の広がりに繋がっているのである。 |
講評 | 今年度は多様なテーマからなる22の卒業論文が提出され、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来た。1.社会・文化的価値観・アイデンティティ 2.メディア環境・リアリティ 3.表象(ジェンダー・他者・地域) 4.消費社会・資本主義・デザイン。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその解釈の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。個々それぞれが別々のテーマに着目しながらも、最終の口頭試問において明らかとなったのは、すべての論文が何らかの形で「変容」「流動化」もしくは「存在の不安」という問題意識を有しているということであった。最後にゼミ全体としてその様な大きな問いを共有することができたのはゼミ参加メンバーが主体的な議論を重ねてきた結果であろう。 |
キーワード1 | 消臭 |
キーワード2 | 無臭化 |
キーワード3 | 消費社会 |
キーワード4 | 広告戦略 |
キーワード5 | 体臭 |
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