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学科 社会学科
年度 2020
ゼミ名 森 千香子
タイトル 空気の一般原則―シンボリック相互作用論による分析―
内容  「空気」に行動を規定されるのは本当に日本人だけなのだろうか。空気は欧米にも存在 し、その力を発揮しているのではないか。本研究の目的は、とりわけ対人コミュニケーシ ョン における空気による支配が普遍的なものであるということを述べ、その共通点を発見することである。
 そのために、まずは一節では、「空気」先行研究を整理する。二節では、本稿で扱う 「空気」の定義をするために、空気を個人-集団慣習的-非慣習的という二つの軸を元に 類型化する。三節では、空気が欧米に存在するということを述べる布石として、空気の近 接概念である「世間」が欧米にも存在することを示す。4 節では、リースマンの「社会的 性格」の議論と鴻上の「空気論」を比較することにより空気が欧米にも存在するという説 明を試みる。5 節では、日本の空気と欧米の空気の共通点、すなわち一般原則を明らかに するために、アメリカの映画『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』という 映画と日本で放送されたドラマ『凪のお暇』にブルーマーのシンボリック作用論を適応する。
講評  本社会に固有性なものとして語られることの多かった「空気を読む」という行為は、実は他の社会にも存在するより普遍的なものではないのか。この仮説を検証するため、著者はリースマンの「他人指向」の議論と日本の「世間」の連続性を指摘し、さらにブルーマーの「シンボリック相互作用論」を日本、欧米の文脈に適応することの妥当性を検証した。分析がドラマのワンシーンの分析にとどまるなど実証が不十分で、やや強引な展開になった点は否めない。だが、その一方で「空気の一般原則」を見つけようという問題提起は野心的かつ魅力的だ。また、つかみどころない「空気」という対象を集団 個人、慣習的 非慣習的という軸にもとづいて類型化を試みたことも評価できる。
キーワード1 世間
キーワード2 他人指向
キーワード3 シンボリック相互作用論
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