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学科 | 社会学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | 森 千香子 |
タイトル | 大学生の勉強時間の短さについて |
内容 | 本研究では、大学生の勉強時間が高校以前よりもなぜ短くなっているのかを、大学生の歴史、また、大学と企業の採用担当者の観点から文献研究を行い、さらに大学生のインタビュー調査によって、様々な原因を分析した。 先行研究では、戦後以降、それまでエリートだった大学生が、社会の変化や未来への希望の喪失によって無気力感が生じ、大学生の勉強時間に影響を与えていると論じた。 また、大学の成績の曖昧な評価基準や、企業の採用スケジュールの長期化、不透明な採用基準など、外部的な要因も存在することが分かった。 さらに、インタビュー調査によって、大学に入ってそれまでの厳しい規則から解放され勉強時間が短くなり、課外活動に多くの時間を割き、就職活動でもそれらで得た経験を話していることが明らかとなった。 しかし本研究では、先行研究である未来への希望の喪失が無気力感を生み出すという論と、インタビュー調査の、勉強しない大学生が将来に対して楽観的であるという結果とでズレが生じており、この関係性については今後の課題としたい。 |
講評 | 著者は、日本の大学生の勉強時間が他国の大学生に比べて短いのはなぜか、という問いをたて、その理由が大学生自身だけにあるわけではなく、大学、企業も加えた三者の相互作用のなかで生じていると結論づけた。大学入学後に学習意欲を失い、勉強しなくなったという自らの体験にもとづいて立てられた問いを、何とか解明しようという著者の強い意気込みが論文全体をとおして伝わってくる。その一方、インタビューが大学生のみを対象としており、「三者の相互作用」を十分に実証できなかったのは、コロナの事情などがあったとはいえ、残念だ。大学、企業関係者へのインタビューをこえれば、より説得力ある議論になったであろう。 |
キーワード1 | 大学生 |
キーワード2 | 勉強時間 |
キーワード3 | 無気力感 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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