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学科 社会学科
年度 2020
ゼミ名 轡田 竜蔵
タイトル 日本留学から考える韓国からの若者の現実-就職難とスペックに追われる人
内容 私は韓国の文化に長年興味があり、日本に来る韓国の若者と話す機会も多かった。韓国の知り合いは話す中で韓国に対する不満を不意に漏らすことが多く、その「生きづらさ」を日本留学と絡めながらこの機に考察したいと考え、このテーマを選んだ。
韓国の学歴社会や就職難が厳しい原因は、小さな市場規模と天然資源の少なさであり、また急速な経済発展の弊害であると言える。さらに新型コロナウイルスの影響を受け、韓国の大卒内定率は大幅に下がり状況は悪化している。
このような状況で日本留学に来る韓国の若者はどのような目的や価値観を持つのかを知るためにインタビュー調査を行った。その結果、日本留学に来る若者は、他の国へ行く者と比べ消極的な部分があり、日本の文化が好きかどうかに関わらず、韓国の厳しい社会から一時的に逃げて、自身のスペックを作っているということが分かった。韓国の社会が若者にとって少しでも生きやすいものになり、より積極的な理由で日本留学に来ることを望む。
講評 本論文では、グローバル化を背景にして厳しい状況におかれた韓国の若者の現実を背景にし、韓国人の日本留学の意味について考察している。筆者自身、韓国語能力もあり、韓国人留学生と関係性があることを生かして、日本に留学中、あるいは留学した韓国人を対象にした半構造化インタビューを行っている。調査の結果、日本留学は将来の帰国就職をゴールとする「スペックの材料」として位置づけられ、国内の就職難から逃れるネガティブな選択としての側面があることが指摘されているが、もう少しケース数を増やしてその多様性についても考えたい。論文の情報価値を上げるためには、新型コロナウイルスが韓国人の日本留学にもたらす影響についての考察が重要だが、その点のインタビュー調査はデータのベタ打ちで終わっている。コロナ禍後の日本留学のオンライン化の拡大の可能性については理論の章で考察されているが、韓国人の日本留学、そして来日韓国人のキャリア志向の変化についても踏み込みたいところである。
キーワード1 スペック
キーワード2 就職難
キーワード3 日韓関係
キーワード4  
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