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学科 | 社会学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | 喫煙者と非喫煙者の共存への“道” |
内容 | 2020年4月1日から改正健康増進法が施行され、その影響で街からは喫煙所が姿を消し、それまで喫煙可であった飲食店はことごとく禁煙となった。一見すると、綺麗でより良い社会になったと思うかもしれない。しかし、本当にそうだろうか?近年、ますます禁煙化が進み、生きづらくなっているこの現状を、喫煙者はどのように受け止めているのだろうか。また、喫煙者と非喫煙者が共存できる“道”はないのだろうか? 本稿では、喫煙者と非喫煙者、さらに改正健康増進法の影響で禁煙した元喫煙者の三者にインタビューを行い、回答を分析し、そこから共存できる答えを探した。結果から明らかになったのは、喫煙者に配慮された制度がないこととマナー違反の喫煙者を罰する制度がないことだ。喫煙者にある程度配慮した制度を確立させ、また、路上喫煙などの受動喫煙のリスクがある行為を罰する制度を確立させることで、喫煙者・非喫煙者両者が共存できる社会が生まれるのではないだろうか。 |
講評 | 2020年4月以降の改正健康増進法以降の喫煙を取り巻く環境の変化に注目し、喫煙者と非喫煙者の両方について60余名にインタビューして研究成果をまとめている。筆者は喫煙者当事者でありながら、非喫煙者にも多く取材し、多様な声を聴きながらその「共存」を探ろうとしており、その問題設定はわかりやすい。上京区において、法改正後にいかに喫煙可能場所が減少したのかをマッピングしながら考察したり、そうしたなかでも喫煙可能であることにこだわって営業を続ける喫茶店へのインタビューをしたりするなど、時代の記録として興味深い。インタビュー記録からは、喫煙者が肩身の狭い思いをしつつ、受動喫煙者に配慮していると考え、他方、非喫煙者は喫煙者のほうにまだまだ配慮が足らないと考えていることが読み取れ、認識のギャップの存在が明らかにされている。調査対象となったのはほぼ20代前半であるが、母集団の設定が不明確なのがもったいない。世代間・時代間の比較も工夫してほしいところである。 |
キーワード1 | 改正健康増進法 |
キーワード2 | 喫煙者 |
キーワード3 | 非喫煙者 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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