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学科 | 社会学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | キャリア選択から見る地方出身大卒女性の志向について―福岡市の高等学校出身の女性を事例に― |
内容 | 筆者の友人は地元で就職する人が多く、福岡市出身者には地元志向の人が多いのではないかと予想した。今後地域の将来性を図る上で地方圏出身者がUターンも含めてどの程度地元に残るかの把握が必要になってくると言われている。しかし現在それを明らかにできる全国的な数値データはない。先行研究の庄内地域出身の大卒者のUターンの例や地元への愛着と地元就職の相関性は福岡市でも同じことが言えるのか。 福岡市の魅力に焦点を置き、様々な角度から都市として若者にどう魅力的に映り、就職にはどのような選択肢があるのかを述べた。実際に福岡市の高校出身者18人にアンケートやインタビュー調査を行い、「ずっと地元型」と「Uターン型」「県外就職型」に分けてそれぞれの特徴をまとめた。さらに地方出身の大卒女性の抱える問題についてテーマ別に見ると、地元志向にはその都市の住みやすさや家族の存在が大きいが、新卒時の地域選択のみでは判断できないことが分かった。 |
講評 | 本論文では、福岡市のある進学校(私立高校)の同級生の女性に焦点を合わせ、その大学4年時点でのキャリア志向と地元志向について分析している。女性のUターンは、職業や家を継ぐという責任と結びつきやすい男性とはその理由が異なるのではないかと考え、親の影響や福岡の生活環境の良さが重要だと指摘する。同級生の女子学生に質問紙調査をし、その回答をもとにして16人にインタビューを行った。分析は手堅く、県内周流型、Uターン型、県外就職型の三つに分けて整理し、県外就職型といっても地元への愛着は強いこと等が発見されている。論文全体を貫く課題意識が見えにくいが、「7社会」と言われる地元大手の安定企業が、人気であるわりには女性の働きやすさという課題があることを指摘している点はもっと掘り下げたい。この論文は、新卒時の選択に絞って考察しているが、女性のキャリアと地元志向という現象を10年後や20年後といった、より広い時空のなかで考え、理論的に整理したいところである。 |
キーワード1 | 地元志向 |
キーワード2 | 福岡市 |
キーワード3 | 地方出身の大卒女性 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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