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学科 社会学科
年度 2020
ゼミ名 轡田 竜蔵
タイトル コロナ禍以降の若者の恋愛交際―同志社大学の現役学生及びその卒業生―
内容 本論文は、コロナ禍以降の若者の恋愛交際についてインタビュー調査を基に同志社大生及び同志社卒社会人の恋愛観に着目して研究する事を目的としたものである。近年の若者は以前まであった恋愛に対する情熱性が消失し恋愛に消極的な姿勢を見せており社会的問題の一つとなっている。さらに2020年3月には新型コロナウイルスの流行により恋愛交際にも大きな影響を与えた。今回の調査では、「交際・告白の必要性」「恋人の魅力」「性交渉と結婚の必要性」「新型コロナウイルスと恋愛交際」というジャンルに分けて恋愛交際の実態を分析した。
研究の結果、コロナ禍での恋愛交際は直接会う事ができない事により会う頻度が減少し直接的なコミュニケーションをする事も困難な状態に陥る影響が生じた。その一方で、SNSを利用したバーチャルなコミュニケーションの利用頻度はコロナ流行以前に比べて格段に増加していた。このような点を考慮に入れると、一概に若者が「恋愛離れ」しているとは言えず、むしろ積極的な姿勢さえ垣間見える。今後はSNSを上手く利用しながら普段のコミュニケーションをこれまで以上に大切にしていく事が求められる。
講評 筆者は、先行研究に見られるような若者「恋愛離れ」という通説に疑問を持ち、同志社大学の現役学生および社会人となって間もない卒業生8人への半構造化インタビューを行っている。対象となった若者は、全員に恋愛交際経験がある。その結果に基づき、筆者は、コロナ禍において、直接会う頻度は減ったものの、その分SNS上のコミュニケーションが活発化し、なかなか会えない状況が恋愛に対する情熱性をかえって高めている側面もあると指摘する。その一方、ビデオチャットのような新しい手段は恋愛交際にはあまり活用されず、SNSは関係維持には活用されても、コミュニケーション量は減少していること、恋愛関係の発展のためには対面する場面が必要であると指摘する。ただ、恋愛交際についての記述はもっと微細な感情の動きや交際のかけひきを細やかに記述したいところだが、断片的な事実の記述にとどまる。ジェンダー・セクシュアリティに関する社会学的な研究成果の蓄積を踏まえれば、もっと深められるはずである。
キーワード1 新型コロナウイルス
キーワード2 恋愛交際
キーワード3 同志社
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