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学科 社会学科
年度 2020
ゼミ名 轡田 竜蔵
タイトル 京都市における子育て課題
内容 本論文は京都市の子育て中の母親が抱える課題について書いたものである。「京都市の母親たちは子育て課題にどう向き合うのか」という問いに、「京都市の子育て課題の多くが『公助』不足によるものである」という仮説を立て、「母親たちが不足している一部を『共助』により解決しようとしている」を実証していく。産前から未就学児童を対象に調査をした。京都市の課題は、合計特殊出生率の低さ、潜在的待機児童、産後ケア不十分、病児保育である。解決可能性と解決方法について考え、マミーズアップの参加者や子育て支援従事者にインタビューをし、課題意識と共助への働きかけを分析した。京都市は公助の不足により、自助だけでは限界を迎えた母親たちが共助を働きかけ、相互補完により課題解決を試みている。京都市の今後の課題は公助の充実と共助の発展による非子育て支援従事者の課題認識の向上への取り組みである。
講評 本論文は、京都市の子育て環境を考察するにあたって、統計資料や行政資料等を分析するとともに、西京区の母親サークルで活動する6人に対する個別インタビューを行い、その課題を整理したものである。筆者は、京都市の子育て支援に関する「公助」の水準はとても低いということを指摘し、その懸念すべき状況について、子育て支援についての先行研究も参照しつつ、目配り良く記述している。そして、母親サークルというコミュニティの機能が、この「公助」の欠如を補う重要な意味があるということについて論じている。産後ケアや病児保育といった子育て支援の主要な論点をおさえたあと、筆者は母親の「社会からの孤立感」というテーマの重要性を指摘する。ただ、本論文の出口として、取材対象となった母親サークルの役割にしか出口を見いだせていないのは気になる。この問題にアプローチするには、多様なアクターが関わる「共助」のあり方があるはずで、その広がりにも視野を広げてほしいところである。
キーワード1 共助
キーワード2 母親
キーワード3 課題意識
キーワード4  
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