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学科 | 社会学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | デジタルネイティブの政治への関わり方 |
内容 | 他の年代と比較して若い世代の投票率は低いという点から、「若者は政治に関心がない」としばしば言われるが、投票だけが政治意識ではないのではないか。特に、常日頃からスマートフォンを使いこなすデジタルネイティブにとって、新聞やテレビに代わるソーシャルメディアやネットニュースなどのニューメディアの登場は、より政治に接しやすい環境であり、政治意識も実際は低くないのではないか。そこで、本稿では様々な属性の20代のデジタルネイティブにインタビュー調査を行うことで、彼らがどう政治に接しているか、その実態を明らかにした。結果、確かにニューメディアの登場は彼らにとって政治や社会に関わりやすい環境であると言えたが、それによって政治意識が高まっているとは必ずしも言い切ることはできなかった。一方で、調査対象者の半数以上が、政治や社会への関心が強く、様々なメディアを駆使して社会の情報を手にしている者や、政治への関心は持っているが投票に行っていないだけの者であったことから、デジタルネイティブは政治的無関心ではないという結論に至った。 |
講評 | 本論文は、「若者の政治的無関心」に関する通説に疑問を持ち、デジタルネイティブの政治意識のありようを探ったものである。筆者はソーシャルメディアの登場によって、デジタルネイティブが政治と関わるチャンネルが増えているという点に着目し、そのメディア的な特性を踏まえつつ、SEALDsからBlack Lives Matter、そしてtwitterのハッシュタグを用いたコロナ禍時代の大学生の運動など、話題となった様々な事例を取り上げて、この論点を考察している。論じられている話題はとても豊富で、論文は55000字近い長編になっている。その一方、様々な属性の9人の20代の若者に対して、インタビューを通して日常的なメディアとの関与と政治意識との結びつきについて探っている。本論文は、若者の日常と政治とのかかわりを探り、政治意識を高めようという提案型の記述になっているが、政治意識論や社会運動論の文脈にデジタルネイティブ論をクロスさせるという学術的な観点を深めれば、より射程の大きな論考となるだろう。 |
キーワード1 | デジタルネイティブ |
キーワード2 | 政治 |
キーワード3 | メディア |
キーワード4 | |
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